暗闇の中から、300ZXツインターボがスローモーションで現れてくる1989年のコマーシャル。
現在の自動車CMとは違い、本能に訴えかける構成が取られていました。
そんなz32のCMですが、飛行機の格納庫が撮影場所でした。今回は、いくつかのCM撮影秘話についてまとめていきます。
『スポーツカーに乗ろうと思う』のナレーションは桑名正博
暗闇に漂ったスモークの中から、ゆっくりと現れる赤いフェアレデイz32。そこに『スポーツカーに乗ろうと思う』という印象的な台詞が流れます。
心の中で本音を漏らしたかのような渋い声の正体は、ミュージシャンの桑名正博さんです。
[say name=”LIN” img=”https://paperwave1999.com/wp-content/uploads/2019/01/4.jpg” from=”right”]z32の代名詞となったキャッチコピーですよね。[/say]
ZのCMではスペックやポテンシャルが主張されるものでしたが、z32では本能に訴えかける構成が取られました。
桑名さんの声は、まさに本能を感じさせてくれる語りと言えます。
z32 cmの撮影秘話|ロケ地はロサンゼルスにある飛行機の格納庫
フェアレディz32のCMが撮影されたのはアメリカ・ロサンゼルスにある、飛行機の格納庫でした。
そこで完全な暗闇を作るために、暗幕を貼るとともに、映画撮影用のHMIライトを頭上と横から1灯ずつ当てられました。
さらに、ニュー・フェアレディzのスタイルを優雅にアピールすることが何よりも重要視されために、ハイスピード撮影が用いられました。
z32の美しいフォルムを際立たせるために、セッティングされた舞台でしたが、撮影は大変だったと思います。
z32のCMでは、5倍速のハイスピード撮影がされましたが、通常の25倍の明るさが必要でした。
深夜0時から午前7時半という時間帯の撮影にもかかわらず、12KWのHMIライトで照らされた部分だけは真昼のような明るさだったそうです。
ドライバーがその明るさの中に飛び込むと、目がくらんで周囲の状況がわからなくなる環境だったほどです。
これだけ極端な手法が取られた理由として、、
先に栃木テストコースで、黒いボディのクルマを用いて、自然光のみで撮影テストが行われました。ですが、Zらしさに迫る絵が撮れなかったので、このような撮影手法が取られることになりました。
まとめ:90年代をリードするスポーツカー誕生の瞬間だった
フェアレディz32は90年代をリードする存在として1989年にデビューしました。
コマーシャルは決してパワーやポテンシャルを誇示することなく、暗闇の中からゆっくりと現れることで、その存在をアピールしていました。
今現在の絢爛豪華な自動車CMとは真逆ですが、芸術的なコマーシャルであることは間違いないでしょう。
[say name=”LIN” img=”https://paperwave1999.com/wp-content/uploads/2019/01/4.jpg” from=”right”]この時期の日産はカッコいい。Tears for fearsのS14前期のCMも好きです。[/say]
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