本記事では、フェアレディz32の購入前の検討材料として前期と最終型の違いなどについてまとめてみました。
フェアレディZ Z32は、1989年の登場から2000年の生産終了まで、約10年にわたって販売されました。その間には何度も仕様変更が行われており、一般的には前期・中期・後期・最終型などに分けて呼ばれています。
なかでも前期型と最終型は、フロントバンパーやテールランプ、リアスポイラーといった外観の違いが分かりやすく、中古車を探している人のなかには「最終型は前期型と何が違うのか」と気になっている人も多いのではないでしょうか。
実際に2台を所有して乗り比べてみると、見た目だけでなく、運転席に座ったときの雰囲気や操作感、走行中に受ける印象にも思っていた以上の違いがありました。同じZ32でありながら、前期型と最終型では別のクルマに乗っているように感じます。
最終型のほうがクルマとしての完成度が素晴らしく、ボディ剛性や乗り味の質感が前期型から大幅に改善されています。
さらに前期型はマイナートラブルがメッチャ多いので、ヤフオクで安いからという理由で買っちゃうと大変です。
この記事では、Z32の前期型と最終型について、実際に所有して乗り比べた感想を紹介します。また、前期型から最終型までの細かな仕様変更を知るうえで参考になる書籍『アイラブフェアレディZ』についても取り上げます。
前期型と最終型のどちらを選ぶか迷っている人や、年式によってZ32がどのように変わったのか知りたい人の参考になれば幸いです。
Z32の前期・中期・最終型の違いを知るためには『アイラブフェアレディZ』が参考になる

前期~最終型までの仕様はそれぞれのカタログを見れば十分だけど、1型~6型までのモデルチェンジの変遷をまとめた本はこれだけしかないです。
よくネットでは「z32は10年間、大した仕様変更もされずに日産にほっとかれたクルマ」みたいな言説は正しくないです。前期と最終型を乗り比べると、全くの別車種かと思うほど質感やボディ剛性やらがアップグレードされています。
車両購入前に下調べをちゃんとしたい方はこの本は超絶オススメです。逆にツインターボのマニュアル以外、興味がない方にはこういうタイプの本は必要ないでしょう。チューニングに関しては何にも触れられていないので。。。
前期型(初期型)

前期型(初期型)
- 1型:ドアにシーベルトユニット付き、エアコン冷媒はR12、エアコンはデフブロスター以外、吹き出し口が選べないフルオートタイプ
- 2型:シートベルト取り付け部がロックピラーフィニッシャーに移動、オートエアコンの吹き出し口が手動で選択可能
ハイパフォーマンスの追求を目指した4代目”フェアレディZ”は1989年7月にデビュー。ボディはホイールベースの異なる2シーターと2by2が用意されましたが、どちらもプロポーションに崩れのないデザインを実現。
1型の一番の特徴はドアにシートベルトユニットが装着されている点。欠点はシートベルトをしたままだとドアが開けられないことですが、慣れれば特に問題はありません。しかし、2型のマイチェンであっという間に廃止。
その代わり、2型からはオートエアコンの吹き出し口が手動選択できるようになりました。
2021年現在、前期型のz32も値上がりが顕著になりました。しかし、昔からz32界隈では「前期型(初期型)は故障が多い」という話は通例でして、私も多少なりとも経験しました。
今でも一応、初期型のTTに乗っていますが、プライマルで修理をしてもらいました。その結果、公道でオーバーヒートして止まるなどの問題は起きていません。初期型といえども、費用をかけて修理ができるのであれば問題のレベルは低くなります。
ようは、『中古車屋やヤフオクでポン!っと売られている初期型は要注意』って感じですね。
中期型:z32の熟成期間

中期型
- 3型:純正リアスポイラーがブーメラン形状に変更、スーパーハイキャスは油圧から電動に変更、エアコンの冷媒にR134a
- 4型:ブレーキキャリパーはアルミからスチール製に変更、リアワイパーの長さが475mmから400mmに変更、ブースト計廃止
- 5型:ミッドナイトパープル(#LP2)が追加、2シーターモデルはノーマルルーフのみ
中期型はリアスポイラーがブーメランタイプに変更になったことが大きな特徴です。ツインターボに装着されているHICASが油圧から電動式に変更されました。エンジンルーム内のスペースを圧迫していたソレノイドバルブがなくなったことで、若干の余裕が生まれています。
4型ではブースト計が廃止されました。『このz32、メーターにブースト計がないからNAじゃん』という指摘をするときは思いとどまってもう一度確認しましょう。そのz32、4型のツインターボ仕様かもしれません。
最終型:最初で最後のビッグマイナーチェンジ。ボディ剛性が向上

最終型
- 6型:ボディ剛性が向上、エクステリア刷新、キセノンヘッドライト追加、バージョンRには専用スポーティサスペンション追加、ブースト計が復活
フェアレディz32は1998年に最初で最後の大幅マイナーチェンジを実施。
エクステリアが大幅に刷新され、現代風にリメイク。最終型の車体色には「ライトニングイエロー」が新たに追加され、中古市場ではかなり高値に取引されます。退色してない限り、実車のライトニングイエローは鮮やかな発色です。
最終型ではz32の元からの弱点だったボディ剛性の改善が大いに図られました。各板厚を増してボディ剛性が向上。さらにバージョンRにはフロアトンネルメンバーが大型化、ドアにダブテールも追加されました。
以下はカタログより引用。

V-2.BUILD UP THE BODY
今回のマイナーチェンジでは、よりスポーティなドライビングフィール向上の一環として特に車体剛性アップに力点をおいた。目指したものは操舵に対する車体挙動のリニアリティの向上と車体およびスタリング剛性感の向上である。
そのため、例えば、フロアパネルの板厚アップ、フロントクロスメンバー、およびセカンドクロスメンバーの板厚をともにアップすることで走りのしっかりとした剛性感のあるボディとした。
また2by2にはステアリングメンバーブラケットやステアリングメンバーサポートステイを追加するなどステアリング系の剛性感を向上させている。
さらに、バージョンRには大型フロアトンネルメンバーとドアダブテールの追加をすることで、ドライバーの良しに即応し、スポーティな走りに対応する専用強化を行っている。
引用元:z32 最終型 カタログより
前期と最終型を実際に所有して感じた大きな違いは「ボディ剛性」
- ①:2000年式最終型/6型/NA/5速MT/Tバールーフ(ナンバー切って保管)
- ②:1991年式前期/1型/ツインターボ/オートマ/Tバールーフ(現在はドンガラで放置)
- ③:1992年1月 前期/1型/ツインターボ/5速MT/ノーマルルーフ(②から箱替え。元はNAのAT)
1型~6型までのマイナーチェンで様々な仕様変更が進みました。前期・1型と最終・6型の両方とも所有して一番の違いは、ボディ剛性と乗り味の質感だと個人的に感じました。
最終型で大幅に改善されたボディ剛性。前期とはまったくの別物に等しい
まず前期 1型と最終型 6型の大きな違いはボディ剛性です。それに加えて、乗り味の質感も最終型のほうが圧倒的に上。
約12年前、車好きの高校生を私のZ32の助手席に乗せて走ってあげた。
— takakenr (@takakenr) January 2, 2021
今日、彼が手に入れた後期型Z32の助手席に乗せてもらった。
後期型、ボディ剛性めちゃ良くねえ?
他人のZ32初めて乗ったから知らんけど…
しかし後期は外観最高だな。 pic.twitter.com/nVsY95pM1U
個人の所感だと、以下のような感じです。
ボディ剛性と乗り味の質感:最終型 2by2>1型・前期の2シーター・ノーマルルーフ>1型・前期の2シーター・Tバールーフ
一般的に前期と言えでもノーマルルーフであればボディ剛性が高いはずと思われがちですが、実際には最終型のTバーよりも劣ります。
さらに運転時の何とも言えない質感の古さが前期のz32からは強く感じられるんですよね。柔いボディ剛性もそれに拍車をかけてきます。
実際に1型・Tバーをリフトでジャッキアップすると、ドアが閉まりづらくなります。さすがに1型・ノーマルルーフはドアはちゃんと閉まりました。
過去、ロールケージ有りの前期Tバールーフを試乗したところ、ボディ剛性は相当改善してました。2シーターのノーマルルーフにダッシュ貫通式ロールケージを入れようとしたのですが、、、斎藤ロールケージではすでに製廃。
ただ、前期2シーターの方がホイールベースが短いので回頭性が良くて街乗りはしやすい。逆に最終型 2by2は高速道路がメッチャ快適で楽しい。
前期 1型:デフブロスター以外、吹き出し口が選べないエアコン
前期 1型のオートエアコンはデフブロスター以外、吹き出し口が選べません。
現在乗っているz32は、吹き出し口が選択できる2型のオートエアコン(ヤフオク中古)にスワップしました。今現在は2型のエアコンはヤフオクで高いので、スワップが現実的な選択肢ではなくなってきました。
それよりも冷風がちゃんと出るエアコンのコンディションを整えた方がいいかもしれない🫠
前期 1型:ヘッドライトが暗い
出来合いの中古車をそのまま乗った時はヘッドライトはかなり暗くて困りました。こればっかりは噂通りで、対向車がいないときには常にハイライトにしてました。
ロービームだと事故りそうで怖かったです。ちゃんと調整すればそれなりの明るさにはなるらしいのだけど、試したことはないです。
今現在はクルーズから出ているz32専用品のLEDを装着してしまえば、万事解決です。HIDの場合はユニットをヘッドライト裏に設置すると、エンジンルームがグチャっとしないです。
最終型のキセノンはそれなりに明るいのですが、クルーズのLEDのほうが明るいです。
前期 1型:補器類・電装系のマイナートラブルが多発しやすい
自分の前期 1型は、オーバーホールしたVG30DETTエンジン自体は快調。3層の銅ラジエーターと強化オイルクーラーも入れたので夏場でも水温・油温は問題なし。
ですが、前期は補器類・電装系のマイナートラブルが多発しやすい気がします。
今現在はパワステが急に重くなるとか、エンジン始動時にクランキングが長いなどのマイナートラブルを抱えています。
パワステのほうはコンピューターを中期にスワップするなどの対策があるようですが、そもそも手に入りづらい。クランキングのほうは燃料ポンプを新品10万円、中古の燃料コンピューターに変更したけど直らず。未だに困っています。
前期は「修理しても何処かがなんとなく調子悪い」が延々と続くクルマ。最終型に乗っていたときはこんなんじゃなかったんでけど。
まとめ
今回は書籍「アイラブフェアレディz」を紹介しました。特に、第二章「代別モデル徹底詳細」はz32購入前には一度は目を通した方がいいかもしれません。
2026年現在の中古車市場をみると、あまり評判のよろしくない初期型も高値で取引されるようになりました。自分がz32を購入した2013年頃と比較すると、明らかに底値が上がっています。
といっても、クルマの中身が変わっているわけではないので初期型の購入には注意が必要です。可能であれば、不具合の改善が進んでいる高年式のz32を選んでいく…というのが安パイだと個人的には考えてます。

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