本記事ではVG30DETTの解説本とドナー車から降ろされたエンジンの整備状況についてご紹介します。
降りた状態のVG30エンジンを見られる機会って少ないですよね?
ドナー車から降りたVG30DETTを初めて生で見れました。今まで写真でしか見たことがなかったので感慨深かったです。2jzやSRはドリフトショップに転がってますけど、VG系はめったにみれません。
[voice icon=”http://paperwave1999.com/wp-content/uploads/2018/05/アイキャッチ.jpg” name=”LIN” type=”r”]せっかくの機会なので降りたエンジンは写真に撮りました[/voice]
しかしVG30って雑誌にも特集されないからどういった構造をしているのかイマイチわからないです(-_-)。エンジン本体を分解して解説している特集記事を発見しましたので紹介します。
前回記事:フェアレディz32 セミレストア体験日記①ノーマルルーフに箱替えします
z32 セミレストア体験日記②ドナー車からエンジンを降ろす作業
状況の悪いエンジンルームを見た感想
- とりあえず汚い(当たり前だよなぁ?)
- 油圧ハイキャスの取り回しは複雑
- さよなら、ドナー車(回収するけど)
[voice icon=”http://paperwave1999.com/wp-content/uploads/2018/05/アイキャッチ.jpg” name=”LIN” type=”r”]ドナー車からエンジンが降りたが、これで良かったのだろうか…。[/voice]
意気揚々とスタートさせたz32のセミレストア兼箱替え。使い物にならなくなったドナー車を見ると、焦燥感に駆られるのであった。
Tバーといえでも貴重な2シーター…。最初からノーマルルーフを買っていればこんなことにならなかったはず。
[voice icon=”http://paperwave1999.com/wp-content/uploads/2018/05/アイキャッチ.jpg” name=”LIN” type=”r”]まぁ、やっちまったもんはしかたないね!(ヒラキナオル)[/voice]
エンジンルームを眺めてみると、前期型特有の油圧ハイキャスユニットが複雑怪奇な配管の取り回しをしてますね。ハイキャスが電動化されたあとにスッキリしたけど、油圧仕様は即効でキャンセルしたくなります。
前期型は最終型と違ってリアハッチの内装に静音シートが貼られているのがメリットです。ですが、駆動系の品質は後期モデルの方が優秀でしょうね。
初めての方は安いからといって安易に飛びつかない方が無難です。
最近は異様に高い前期モデルも流通するようになりました。しかし前期型が新車販売された数年後は不具合の報告が多く出ていたそうです。
元の設計が怪しいため、状態が良くてもトラブルが全くでない保証はないです。まぁ、難しいところですよね。
ドナー車から降ろしたVG30DETTの整備状況を紹介
[voice icon=”http://paperwave1999.com/wp-content/uploads/2018/05/アイキャッチ.jpg” name=”LIN” type=”r”]サージタンクの付いていないVG30はめずらしい[/voice]
ドナー車から降ろしたVG30DETTエンジンの整備状況を紹介します。
エンジンからはターボチャージャーや補器類はすでに外されています。冷却水の配管やハーネスが付いていない状態だとVG30も小ぶりに見えますね~。
それだけ、補器類の配置が複雑なんでしょうね( ゚Д゚)
下記紹介の解説本には車両から降ろされたままのVG30DETTの重量は281kgと記載されています。ハーネスや補器類が全てエンジンに付属した状態での重量ですから、エンジン単体重量ではありません。参考にはなると思います。
青いタイミングベルトは強化品です。コネクターは腐食している上にホースは硬化しているので使い回しはしません。内部は簡易洗浄して頂いています。
ギャレットの純正タービンはウェストゲートアクチュエーターが腐食しまくっているのがわかります。ブレードの状態を確認するのは忘れてしまいましたが、劣化が酷そうですね。
z32は本当にタービンとの付き合い方が難しいです。基本的にエンジンを降ろさないとタービン交換できないから、社外品を組むタイミングを見極めるのが超大変!
車格は80スープラと同等ですけど、このクルマが流行らなかった理由の一つでもあります。そりゃ皆さん、2JZ選びますわっていう。
神エンジン VG30DETTの解説本
VG30の情報はとても少ないですし、オプションやドリ天を開いても特集されることはありません。
しかしVG30DETTを神エンジンと謳って完全分解した特集記事がオートメカニックに掲載されています。
VG30DETTの構造が解説された書籍は珍しいのでz32オーナーの方にはとても参考になるはずです。
オートメカニック2012年 10月号
取り外し部品
- エンジンハーネス
- 燃料系のホース
- 補機パーツ
- ターボ周辺パーツ
- インテークコレクター
エンジンが降りた状態でもハーネスのロックを外すだけで半日かかるなど、相当大変だったようです。写真付きでエンジンの各種センサーや補器類の名称が記載されています。
オートメカニック2012年 11月号
取り外し部品
- タイミングベルト
- タイミングスプロケット
- ターボチャージャー
- インテークマニホールド(インマニ)
オートメカニック2013年 1月号
取り外し部品
- オイルパンとオイルストレーナー
- ピストン&コンロッド
- メインベアリングキャップ
- クランクスプロケット
クランクスプロケットは固着しており、割って外していました。さらにピストンの動きが写真付きで解説されています。
オートメカニック2013年 2月号
シリンダーブロック、ギャレット製のタービンについて解説されています。最終回ですのでカラーページの掲載となっています。
VG30DETTはRB26と比較して陰の薄いエンジンですが、国産エンジン中でも有数の高性能エンジンだったとまとめられています。
まとめ
z32 セミレストア日記②ではエンジンの整備状況や解説本をご紹介してきました。
冷却水の配管やボルトの増し締め等、補器類は新しく刷新されます。やはり旧車に片足を突っ込んでいるz32の前期型ですから、しょうがないと思います。
エンジンを載せるとやり直しが効かない箇所が多いので、最初の仕様決めが大切です。
次回は『z32 セミレストア日記③エンジン搭載前にパワステラックを交換』をお届けします。
コメント