リリーキャット(アニメ)の後日談ネタバレ|バクテリアによる人類絶滅の予兆

1987年にリリースされたOVA『LILY-C.A.T』

エイリアンと遊星Xを合体させたSFホラーアニメとして知るひとぞ知っている作品です。

OVAで描かれた宇宙船でのパンデミックは悲劇的でしたが、地球から10数光年も離れた出来事に過ぎませんでした。

しかし、OVAの完全小説版には後日談として43年後の地球圏の様子が描かれており、人類絶滅の予兆を匂わせる内容になっています。

ネタバレ注意ですが、それについて紹介したいと思います。

小説で描かれたLILY-C.A.Tの後日談

監督自ら執筆したOVAの完全小説版

監督自ら執筆したOVAの完全小説版には、サルデス号から43年後の世界が描かれます。

サルデス号は公式に遭難したという記録が残っているだけで、LILY-C.A.T開発に関与したナンシーの兄が登場します。

そして、サルデス号の悲劇を引き起こしたLILY-C.A.Tが、バクテリアと共に地球圏に到達します。

ネタバレ後日談①|サルデス号出航から43年後、サルベージ船がLILY-C.A.Tを回収

LILY-C.A.Tはサルデス号の爆発に巻き込まれて消滅したと思われたが…。

サルデス号が地球を旅立ってから43年後の西暦2307年。

本来であればサルデス号は2年前に帰還しているはずでしたが、出航から20年後を最後に地球と交信が切れたことで遭難したとされています。

シンカム社の社長だったナンシーの父と、会長の祖父はすでに他界。LILY-C.A.Tの開発に関与したナンシーの兄は高齢となりましたが、シンカム社の社長に就任しています。

そんな中、サルベージ会社からシンカムの工場衛星に、『登録番号23703。製品名LILY-C.A.Tを回収した』と連絡が入ります。宇宙船に搭載する製品は全て届け出る必要がある上に、無断で搭載物を捨てることは法律により禁止されています。

しかし、LILY-C.A.Tがサルデス号に搭載された公式記録は残っていませんでした。つまり、LILY-C.A.Tが回収されたことで、シンカム社が無申告でこのロボットをサルデス号に載せたことが43年後に判明してしまうのでした。

サルベージ会社はそうした企業の違法行為を取り締まる権利を持っており、シンカム社の担当が呼び出された格好です。

ネタバレ後日談②|シンカム社の工場衛星でLILY-C.A.Tに付着した”サビ”を発見

サルベージ会社から円満解決のためにワイロを要求されるものの、回収されたLILY-C.A.Tはシンカムの工場衛星に送られます。

そこで検査技師により、画像と動画が大量に保存されたレコーダーとLILY-C.A.Tに付着した”サビ”が発見されます。

レコーダーは地球のシンカム本社に送付、LILY-C.A.Tは担当者の善意により修復されることになります。

しかし、付着していたサビが物議を醸すことに。

真空の宇宙でサビが発生するはずもなく、滅菌処理が施されたサルデス号においても同様です。そのため、検査技師らはサルデス号が惑星LA-03に到達して、『サビは惑星で生じたもの』と結論づけます。

結局のところ、これは間違いで、LILY-C.A.Tに付着したサビはサルデス号のクルーを全滅させたバクテリアによるものでした。

しかし、そのことに気づく人間はおらず、月と地球のラクランジェポイントにあるシンカムの工場衛星にも、サルデス号と同様の悲劇が訪れることになります。

ネタバレ後日談③|工場衛星の作業員120名が消失

工場衛星でも、120名の作業員が服のみを残して消失

シンカム本社にレコーダーが送られてくるはずでしたが、工場衛星との連絡が突如途絶えます。

不審に思ったシンカムの社長(ナンシーの兄)は、本社から調査団を派遣。工場視察の名目で自らも同行することに。

スペースシップで工場衛星に接近すると、内部の照明は付いており異常は見当たらず。しかし、いくら要請しても工場長には連絡がつきません。

業を煮やした社長以下調査団は内部に潜入すると、120名いた労働者が突如として消失した現場を目撃します。そこにはサルデス号で起きたように人間の衣服だけが大量に散乱。バクテリアによって人間がシバースした証拠が広がっていました。

さらに室内の天井は腐食が進行。

サルデス号の悲劇が、地球にほど近い工場衛星で発生してしまったというわけです。

調査団一行が呆然とする中、LILY-C.A.T開発に関与した社長(ナンシーの兄)は、妹が可愛がっていたリリィにそっくりな”ネコ”を目撃します。

そこで、『LILY-C.A.T』は完結を迎えます。

リリーキャット(アニメ)の後日談ネタバレまとめ|バクテリアによる人類絶滅の予兆

小説ではアニメのED以上にジロー・タカギとナンシーがどうなったかは語られていない。

今回は完全小説版で書かれたリリーキャットの後日談をまとめてきました。

あのバクテリアは空気感染することから、工場衛星内に入った時点で調査団含むナンシーの兄も感染したと推測されます。LILY-C.A.Tをサルデス号に送り込んだ張本人が、43年後にバクテリアの餌食になるのは皮肉を感じます。

後日談では描写されていませんが、工場衛星から感染が爆発的に広がり、地球でパンデミックが起こることは想像に容易いです。

アニメで描写されたことは、地球から17光年離れた場所の悲劇に過ぎませんでしたが、小説では人類絶滅の予兆まで示唆されているというわけです。

2020年は、中国で発生したコロナが世界的なパンデミックを引き起こしました。ウィルスで人類が死滅するなんて、フィクションに過ぎないと感じていました。

感染力が高く致死性が高いウィルスが発生すればあっという間に人類は死滅するだろうと、コロナの件でも痛感した次第です。

1987年にリリースされた『LILY-C.A.T』は未知のバクテリアという設定を使って、人類にいつか巻き起こるかもしれない悲劇を描いた作品です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です