1987年発表『ブラックマジックM-66』の絵コンテ集は初心者の見本になるかなと思います。
この絵コンテは、原作者の士郎正宗氏が凝りに凝って作ってます。
本編と絵コンテは、格安で手に入るのでオススメです。
ブラックマジックM-66の絵コンテがオススメな理由
- まず、作品自体が面白い
- 市販の絵コンテの中で最も格安で手に入り、かつ高品質
- 絵コンテの中で『カメラワークや複雑な動きの指示』がわかりやすく完結している
- カメラの用語解説が巻末に載っていて、初心者にも優しい
【オススメ】ブラックマジックM-66の絵コンテ・レビュー
最初に作品紹介ですが、『ブラックマジックM-66』は1987年6月に発売されたOVAです。攻殻機動隊で有名な、原作者の士郎正宗氏が自ら絵コンテを切って、北久保氏と共同で監督を務めました。
開発者の孫娘を標的とした2体の自動歩兵M-66が、フリーカメラマンや特殊部隊と対峙するストーリーです。リアルな戦闘描写で今でも人気があります。
冒頭の墜落した輸送機を調査する特殊部隊のシーンですが、内容欄の指示がかなりの量です。複数人が登場するので、キャラのどちらの方向に移動するのかわかりやすく指示してあります。
C68は輸送機の周り歩いていた少佐が部下に声をかけられるシーン。少佐が歩く方向と、部下の顔の方向にカメラがPANする指示されてます。
こちらはF6の戦闘シーン。棒を振り回して軍人をけちらしてますが、1秒ちょいしかないカットなのに、コマ送りでコンテ切ってます。絵だけじゃなくて、内容欄に指示がビッシリあるので『何をしようとしているのか?』が初心者にも理解しやすく、勉強になります。
ブラックマジックM-66の絵コンテの個人的に良いと思ったところ
ブラックマジックM-66の絵コンテは、高品質かつ格安で手に入るのでかなりオススメだと思います。
絵コンテは格安で入手でき、本編も220円でレンタル可能
誰しもアニメーションを見続けていれば、メイキングに興味が出てきますが、絵コンテはなかなか市販されないものです。非売品の絵コンテをオススメされても、そもそも買えません。
しかし、ブラックマジックM-66の絵コンテは格安で手に入りやすいです。本書は定価1200円だったからか、2020年時点アマゾンでは1000円を切るような価格で入手できます。中古本の数も豊富で、誰でも買える環境にあります。
自分は2011年に買いましたが、全く価格が高騰していません笑。
しかもブラックマジックM-66の本編はアマゾンビデオで220円で視聴可能。合計1000円以下で、アニメの仕事が覗ける環境はなかなかないでしょう!
原作者が凝りに凝った絵コンテ:動きの指示が詳細に描かれている
カメラ指示(用語はp.357に全て掲載)
- PAN:カメラの位置を動かさずにカメラをふること。
- T.B(トラックバック):被写体からカメラを遠ざけてゆくこと
引用元:ブラックマジックM-66 p,357
[say name=”初心者” img=”https://paperwave1999.com/wp-content/uploads/2020/04/bsan.png”]C371のこんな大きな絵、どう描くんだ。。あ、右下に『大判作画』って描いてある(すごい!)[/say]
上記画像は、フリーカメラマンのシーベルが、破壊された家を捜索するシーンです。
C731には、丁寧に『大判作画で作画をするように』と書かれています。普通は当たり前すぎて指示されることはないのだろうから、わざわざ記載してあって感動します笑。
カメラ指示は、絵コンテ集のp357に全て解説されています。
全ページにわたり、このようなレベルで細かい書き込みがされています。つまり、絵コンテの中で『カメラワークや複雑な動きの指示』がわかりやすく完結しています。
絵コンテを忠実に再現した本編との対比がやりやすい
普通は、コンテを切った人と原画マンが口頭でやりとりするような事があると思うんです。それやられると指示が残らないので、絵コンテだけ読んでも本編との対比が取りづらいです。
ですが、本書は自動歩兵F6が棒の握り方すら指示されるようなレベル。絵コンテを片手に、本編との対比がしやすいのです。
初心者にとって、絵コンテの参考書になるのは間違いないです。
まとめ
今回は、ブラックマジックM-66の絵コンテを紹介してきました。
そもそも絵コンテの描き方は千差万別ですし、正解はないです。しかし、絵コンテに指示がビッシリ掲載されているので、そこらへんハウツー本よりも参考になると思います。
さらに本編と対比させることで、コンテの指示内容と答え合わせがしやすいのです。
しかも安い!
これだけお買い得な環境は他にもないかなと。
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