※この記事はネタバレも含んでる感想です。
パシフィックリム アップライジングを字幕と吹き替えを連続で視聴してきました!(本当は疲れた)
この映画のデキには満足することができましたし、面白かったと思いますよ~^^
しかし、前作でメガホンを撮ったデルトロ監督の降板、初代主演のチャーリー・ハナムがスケジュールに折り合いが合わずに同じく降板しました。こうしたグダグダがあると、駄作と烙印を押される続編モノになりやすいですね(スピード2とか)。
そんな苦難を乗り越えて、パシフィックリム2は正統進化を遂げてくれたかなと思っています。僕は映画をみるにあたり、3つの点を気にしながら見てました。
1.前作との違い
2.新田真剣佑の活躍
3.ロボットアニメの将来性
1.予告編が公開された時点で前作と違うという声が上がっていました。今作の監督は観客に魅せたいポイントがデルトロとは違っていましたし、その辺りは前作で猛烈なデルトロファンになった方はイマイチに感じるかもしれません。特にKAIJUに対する拘りは前作から薄まっていましたね。スティーブン監督は熱烈な怪獣好きだと公言していますが。
2.日本から新田真剣佑さんが出演しています。彼はアメリカ生まれで映画が堪能ですし、日本の芸能界を飛び出してほしいなと思ってます。ただ残念ながら、台詞があまりなかった笑。
3.ハリウッドが作る本格ロボットモノとして本作を考えると、ロボットアニメの将来性も考えざる負えないです。VFXのレベルはとんでもなかったわけですし、日本のロボットアニメもウカウカしてられないぞと思ったわけです。
それでは順にご紹介していきます。
パシフィックリム アップライジングの感想
アップライジングの世界観やイェーガーのデザインについて
今作の世界観についてですが、前作から10年後を舞台にしており、各地で復興は進んでいるものの道半ばの様子。戦争中に破壊されたイェーガーのパーツは高く売れるらしく、ジャンク屋が蔓延るような状態。さらに、プライベーターとしてイェーガーを製作するヤツらがいるらしく、未登録イェーガー乗りとして軍から処罰の対象になってる。
ジャンク屋が蔓延る世界といえば、カプコンのサイバーボッツやガンダムXの戦争終結後の様子に似てます。スピンオフでイェーガー同士の闇試合をメインにした作品とかイケそうですねぇ~(ボトムズのバトリング)。
今作の主人公”ジェイク”(前作の司令官の息子)は元軍人で才能は有るけどムラがある遊び人で、司令官の厳格な性格とは正反対かな。そんな遊び人が義理の姉”森マコ”の殉職をきっかけにして、戦士になっていく過程が描かれます。
4月3日は #趣味の日 だそうです!#ギレルモ・デル・トロ、#スティーヴン・S・デナイト、#ジョン・ボイエガ…超一流の才能が「好き」をとことん貫いて生まれたのが『#パシフィック・リム』シリーズ🙌🙌🙌#パシリム pic.twitter.com/3uvdQVqkXO
— パシフィック・リム 公式 (@PacificRim_JP) 2018年4月3日
イェーガーは得意とする戦闘スタイルによって、デザインを差別化するというのは基本的に同じ。しかし、前作にあったような重厚感のある演出や機体デザインは変更され、一言で言えば『今風』の体裁になっています。
例えるなら、ファーストガンダムのMS群をリファインした出渕裕さんの『ポケットの中の戦争』の仕事に近いものを感じた。そういった状況なので『前作となんか違う…』という意見は上がりますよね。
本作で好きだったのはノーベンバー・エイジャックスですね。機体色も良く、イングラム・ジムカスタム・ジェガンとかを混ぜ合わしたような意匠。スクラッパーを捕獲するために登場するのだけど、怪獣との戦闘シーンも見たかったな~。
『最後の警告だ』とか言いながら指に仕込まれた捕獲用の武装を使用するシーンには、機動戦士ガンダムF91を連想しました。
国際派俳優:新田真剣佑の活躍は?台詞が少なかったのが残念
新田真剣佑さんは英語も堪能な上に演技に対する情熱も高いです。撮影にあたっては白人のマッスル体形に見劣りしないようにウェイトトレーニングに励んだそうです。髪型も短くカットしてましたが、他と比べても見劣りしませんでした。
肝心の劇中での活躍については、あまり台詞がなかったのが残念。彼の役名はリョーイチでパイロット養成プログラムの若き訓練生として日々、トレーニングを受けています。チームをまとめる立ち位置ですが、他の訓練生と絡むシーンは少ないです。
ストーリーに直接絡んでくる役柄でもなかったです。新田さんの台詞といえば『敵がきたぞーー!!』ぐらいしか印象に残ってないのだけど、やってきたのは救援部隊なんですよね笑笑。
台詞は少ないけど、リョーイチが登場する機体は恵まれててイェーガー史上最速のスピードを誇っているセイバー・アテナです。空中で一回転しながら、ツイン・ブレードで3体合体した最終ボスに一撃を食らわせるシーンは予告編からも印象に残っていました。
高層ビルに吹っ飛ばされる退場のさせられ方もスッキリしていましたね~。ブレーサー・フェニックスは噛み砕かれてバラバラ、ガーディアン・ブラーボは若さゆえの過ちによる退場だったから、セイバー・アテナの最後には見せ場がちゃんとあった気がします。
機体は大破したけどリョーイチは生還したので、続編では成長したパイロットとして出演するかもしれません。
当初は最終決戦の前に殉職するはずだったんですが、新田さんの存在感を気に入って監督がストーリーを変えたらしい。さらに彼を主演にしてミュージカル映画を撮りたいらしい(それは謎過ぎる)。
映画の全体的な感想&前作との変更点については賛否が分かれた
???『趣味の世界だねえ…』
映画の全体的な感想ですが、僕自身はこの映画には満足できました。続編モノの宿命ですが、前作との違いについては賛否が分かれています。
VFXのデキはとてもよく、脚本もエンタメしてた
脚本も悪くはなく、”未完成のロケットブースター”で最終決戦の地である東京に向かうという大サービスの演出。
しかも最後は大気圏外からの捨て身の落下攻撃でしょう?
燃えないわけがない!!
_人人人人人_
> 公開迄 <
> 1ヶ月 <
 ̄Y^Y^Y^Y ̄イェーガーパイロットたちよ…
闘いの準備はいいか!?#パシリム pic.twitter.com/UJnium6Emt— パシフィック・リム 公式 (@PacificRim_JP) 2018年3月13日
格闘戦でのレーザーブレードや光線、ビル崩壊のVFXのレベルがとても高くて安心して見れました。高層ビルの崩壊やロケットブースターでの発射する際のケムリの表現とか、文句のつけようがなかった。
前作のVFXを担当したアメリカのILM社のメイキング動画
前作のVFXを担当したのはアメリカのILM社で、ジョージルーカスがスターウォーズのための設立したスタジオです。しかし、今作はイギリスのダブル・ネガティブ社が中心になったようです。この会社はブレードランナー2049を担当するなど、近年のVFXをリードしつつあるそうです。
『おまえ、裏切るんかい!』
今作の黒幕はニュートン・ガイズラー博士です。前作では怪獣とドリフトしたけど、それがきっかけでプリカーサー(異次元生命体)に精神を乗っ取られてしまった。自宅の試験管で飼っている怪獣とドリフトするのが日課になっており、症状が余計に進んだのかもしれない。
中国のシャオ産業が遠隔操作型のイェーガーの開発を進めているのは、時代だなーと思いました。一昔前だったら、日本の企業が出てきたかも。
個人的に不満だったところ
主人公”ジェイク”はどことなくムラがあるヤツだったけど、彼が決心をするきっかけが義理の姉である森マコの殉職でした。マコが退場するのは意外でして、、前作から残ってるキャラが科学者のお二人だけになり、寂しい感じはしました。
今作はイェーガーのパイロットとして若き訓練生達にスポットが当たるので、正規のパイロットは本作ではあまり出てこない(暴走したイェーガーに基地が襲撃されるので、正規パイロットは退場)。
前作はGガンダムみたいな各国を代表するステレオキャラが活躍して盛り上がりましたけど、訓練生のキャラがあまり立ってないんですよね。
ドリフトも満足にできるかわからない連中が、いきなり戦うことになるので彼らにはイマイチ感情移入できなかったり。
賛否が分かれた点
1.怪獣に対する愛情が減っている
たしかに怪獣大好きデルトロに比べると、怪獣愛は減っている気がしました。というか、映画を見ていても別に相手をKAIJUって呼ばなくてもよくないか?と思うほど。
僕は昔の怪獣ものやゾイド等はあまり見てなかったので、KAIJU要素が減ったとしても『まぁいっか!』といった感じでした( ゚Д゚)
2.イェーガーに重厚感がなくなっている
イェーガーはスリム化しており前作から重厚感は減っています。劇場パンフレットにも記載されていますが、主人公ジェイクを演じるボイデガはロボットに速く動いてくれることを望んでいたようです。劇中にはサンライズから承認を得たユニコーンガンダムの銅像が出ており、MSの改良・発展を意識したのでは?とも指摘されています。あとはエヴァの影響だとか。
パシリムは70年代のマジンガーZを原点として、80年代後半から続くOVAロボットアニメの系譜に移行してくれた気がしてます。
パシリム2はロボットアニメの将来性を揺るがすデキだった?
元ネタが日本の特撮とアニマなわけですし、どうしても比べたくなります。前作はパトレイバーやガンダムっぽさはあるけど見せ方は70年代風味でした。だから、現状のロボットアニメとは違うことをやってるなという安心感がありました。
パシリム2にはリアル系のテイストがガツンと盛り込まれていて、いきなりこちら側に来られた感じ。エイジャックスが未登録イェーガーを捕獲するシーンがありますが、武装のきめ細やかな表現を見せられると、『ハリウッドでもそういうこと出来ちゃうんですね?』と思った次第。その上で大都市を舞台にして激しい戦闘が描かれていました。
大げさですが、ロボットアニメの将来性を揺るがすデキだったと言えます。といっても、一ファンの僕にはどうすることもできないので『サンライズの皆様方、頑張ってください』としか言えませんがw
ともかくも、ロボットアニメを製作する際には『パシリム2はここまでやってる』といった指標にされると思います。アニメと実写で表現方法の限界はありますが、80・90年代に比べると下火のロボットアニメにも頑張ってほしいなと思いました。
続編を匂わせる終わり方だったが、パシリム3はプリカーサーの本拠地に突入か?
『次はお前らのところに行く!』
ラストは続編を匂わせる終わり方でした。台詞からもプリカーサーのいる本拠地に突入する流れが想像できます。
魔界の扉(裂け目)を開いて、幽遊白書の魔界編に入る感じか。パシリム3で大都市の崩壊が見られるのは今作で最後で、次回作でプリカーサーとの戦いに終止符が打たれて完結といった感じかな。マコが退場しちゃってるから、新田真剣佑さんが続投してくれると嬉しいのですが。
ターミネーターやエイリアンは3作目でなんとなくコケましたけど、この作品にはそうなって欲しくない思いがあります。中国でアメリカ以上にヒットしているみたいですし、才能とお金を投入してもらって次回作も良い映画になってほしいですね^^
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