本記事では、z32発売一年前に公開された予想デザインを紹介します。
1989年にz32の初期型が発売されてから、すでに30年ぐらい経過しています。その発売1年前の1988年に予想デザインがベストカーで公開されました。
イラストは市販車のデザインそっくりでした。
フェアレディz32発売1年前の予想デザインは当たっていた【1988年・ベストカー】

ベストカー1988年8月号より引用:2シーターの予想イラスト
1988年7月発売の8月10日号にて、「次期フェアレディZ 実像を完全掌握」という題で次期Zの予想イラストとスペックが掲載されました。
全体的なシルエットだけでなく、ヘッドライトの形状、ノーズパネルのエンブレム、ターボ用のスリット付きフロントバンパーなど市販車そのものといってもいいレベルで当たってます。
星型のホイールデザインまで当たっている…。

ベストカー1988年8月号より引用:2by2の予想イラスト
こちらは2by2の予想イラスト。
リアテール周りの細部が多少異なっていますが、全体的シルエットは市販車そのもの。2シーターと2by2の代表的相違点として挙げられる給油口の位置までも、しっかりと描き分けられています。
記事では、2リッターモデルは廃止され、3リッター専用になると予想。この時すでにMID4IIに搭載されていたVG30DETTがパワーユニットに搭載されることは周知の事実。さらに予想出力は280馬力ではなく、300馬力でした。
記事は、5LのV8エンジンを搭載して320馬力だったポルシェ928sと同等程度の性能を引き出さなければ、北米マーケットで他を圧倒することはできない、と締めくくっています。
スペックの比較表|予想重量は1360kgだった…。
以下に予想スペックと市販車との比較表を作りました。
発売一年前のベストカーに掲載された予想スペックはボディタイプの記載がありません。そのため、右2列は初期型の2by2と2シーターのスペックを並べました。
予想 | 2by2 | 2シーター/Tバー | |
全長 | 4495 | 4525 | 4310 |
全幅 | 1800 | 1800 | 1790 |
全高 | 1295 | 1255 | 1250 |
ホイールベース | 2430 | 2570 | 2450 |
トレッド・F | 1495 | 1495 | 1495 |
トレッド・R | 1480 | 1535 | 1535 |
重量 | 1360 | 1550 | 1520 |
エンジン型式 | VG30DETT | ||
総排気量 | 2960cc | ||
最高出力 | 300ps/6400rpm | 280ps/6400rpm | |
最高トルク | 38.0kg・m/4400rpm | 39.6kg・m/3600rpm | |
サスペンション前 | ストラット | マルチリンク | |
サスペンション後 | マルチリンク | マルチリンク | |
タイヤ | 245/45 VR16 | 225/50R16 | |
価格 | 450万円 | 425万円 | 410万円 |
予想スペックの全長は明らかに2by2寄りでありながらも、ホイールベースは2シーターに近いです。かなりアベコベな予想スペックだったことがわかります。
個人的に予想スペックの中で一際目立っていたのが、発売前に予想されていたツインターボ仕様の車両重量です。予想スペックの車両重量は1360kgで、市販車よりも相当軽いです。z32もこれだけ軽ければ評価も変わっていたかもしれない。
価格については車両価格のみ掲載しています。ちなみに当時のコミコミの見積もり価格は、z32 2by2 ツインターボで505万円でした(プレイボーイ 史上最強のZより)。
どう考えても簡単に買えたクルマじゃないっすね。
終わりに|今だから振り返られる市販車との違い
本記事ではベストカーの記事を引用して、発売一年前に予想されたz32の実像を紹介してきました。
まさに今だから振り返られる市販車との違いも感じらえる内容になっています。z32も1300kg台で発売されたらスポーツカーとしての評価も上がったかもしれません。
そして、z32の予想デザインをみて感じたのは「明らかに内部資料見ながら書いてるのでは?」という点です。ここまで一致していると、予想の範疇を超えてます。
他の新型車についても同様で、実験車を見たりだとか、こっそり手に入れた内部資料をみながら描いてるんだろうなと、z32の予想イラストで感じました。